Sayaka Kondo

お客様の笑顔を想像しながら設計
小さな部品から世界中に感動を

近藤 早矢香さん / Sayaka Kondo

「女性が自動車の部品設計の最前線で活躍してるなんて意外ですね、とよく言われます。そう言われるのって実はとっても嬉しくて“意外でしょ? かっこいいでしょ!”って答えています。自分の仕事に誇りをもっているし、こういう分野でも女性が活躍できる場が増えていることをアピールできるのって、とても良いことだと思っています」。そう語るのは樹脂部品や、リアスポイラー、サイドステップといった部品の設計を担当している近藤早矢香さんだ。

近藤さんは高校時代にマツダで職場実習を経験、それがきっかけとなり就職を決めた。「具体的にその時に何がやりたいというのはなかったのですがいろいろな部署の話を聞いてやっぱりやるなら目立つところがやりたいなと。うちのアタッチメントチームはオーナメントやエンブレムなど、マツダ車のシンンボルマークを作る部署なんです。ここならマツダを象徴する部分を作れる! ということで希望を出しました」。入社して9年、近藤さんはこれまで数多くの部品を手がけてきた。アクセラやデミオのドア周りの部品は彼女の手によるものだ。「設計の仕事って大変なのでは? とよく聞かれますが、大変さよりもやりがいのほうが大きいです。良い意味で女性扱いがなくて、平等に仕事を任せてもらえる環境ですし、設計で苦労したなと思っても、出来上がった時の感動で忘れちゃいます」。

近藤さんのものづくりへのこだわりは実にこまかい部分にまで見ることができる。例えばドアを開かなければわからない部分や覗きこまなければわからない部分まで作り込むのは彼女のこだわりどころ。「お客様の目に触れる可能性があるのなら徹底的に作り込みたいし、お客様が見て、触れてどう感じるのかということを常に意識してやっています。光の反射であったり面のコントロールなどデザイナーは部品ひとつひとつのレベルまで芸術性を高めようと努力をしています。私たちはその想いを預かり、最後の最後までコンマ何ミリというところまでこだわって設計しています。もちろん女性なりの視点で観れるのも貴重ですから、様々な部署の方と話をして私から提案することも。苦労もありますが、楽しいことは最後に必ずやってきます! ものづくりの過程は本当に楽しいです」。

ものづくりに関わる仕事をしていて本当に嬉しい瞬間は自分の手がけたクルマが選ばれ、そして楽しんでもらえていることがわかる時なのだという。「良いクルマだね、ひときわ輝いているね、と聞くとやっぱり嬉しいし、頑張ってやってきてよかったなと思います。この仕事を始めて最初に携わった仕事は中国で販売されるクルマに装着した小さな部品でした。このクルマの販売が始まってすぐ、お客様から『この部品のおかげでクルマがかっこよく見えるんだ。だからこのクルマを買うんだ!』とコメントをいただいたんです。たった1人ではあるんですが本当に嬉しかった。このお客様は、私の部品で購入を決めて、いまワクワクしながら納車を待っている。そんな様子を想像したら、こんな小さな部品から世界に感動を与えられる仕事なんだって、嬉しくて涙がこぼれ出しました」。

近藤さんはその時の気持ちを今も忘れずに日々設計の仕事に取り組んでいる。「お客様にお届けしたときにどうあるべきかをいつも考えています。想いを形にできる環境にいるのですからラッキーですよね。いますごく良い仕事場にいると実感しています。できればずっとここで働き続けたいですね」。

Sayaka Kondo

近藤 早矢香さん / Interior & Exterior Components

車両開発本部 装備開発部 エクステリア開発ブループで装備部品の設計を担当する女性 エンジニア。幅広く様々な車種を担当している。デザイン、生産、実験といった各部門と協力を しながら整合どりをして最終的な形に落とし込むという開発・設計がメインの仕事